ねこねこ亭の小さな命を守る会

あなたが餌をあげている野良猫は、近隣に迷惑をかけていませんか?当会には、毎年多くの相談・苦情が寄せられます。他人の敷地に糞をする、マーキングをする、発情の声がうるさい、車に傷をつける、子猫を産んでいる・・・、餌やりをするのであれば、繁殖して増えないような措置を行ってください。希薄な御近所付き合いの中で、迷惑だと思っている住人の方々は、餌やりへの不満を溜め込んでいます。怒りの矛先が、あなたが餌をあげている猫に向かう前に、増やさない努力をしてください。私達は、野良猫がいない社会を目指して、東京都葛飾区・江戸川区を拠点に、野良猫に不妊手術・去勢手術を実施する活動を行っています。


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症例紹介(生まれつき結腸がなかった猫ちゃん)里親になった後、離婚するからと某保護団体に戻された猫ちゃんのお話です。

⚠️本記事は、本文中に手術中の写真が含まれます。

栄太君(仮名:男の子)は、2013年10月に推定3ヶ月の頃、某保護団体に保護され里親募集されていた猫ちゃんでした。

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11月には、里親さんが決まり、2歳くらいの娘さんがいる御夫婦に譲渡されましたが、栄太君が1歳になる前に、某保護団体に戻されました。理由は「旦那が原因で離婚するから」という事だったそうです😢

某保護団体のサイトには、当時、里親になった方から届いたお便りが何度か紹介されていました。その便りの中では、栄太君のことを「息子」と書いてあり、娘と「兄妹のよう」とも書いてありました。全て読んで、とても切なくなりました。娘さんは、奥様が引き取ると言っていたそうですが、人間の子供と猫では、やはり違ったのでしょう。栄太君は、夫婦どちらの息子にもなれませんでした😔

その後、栄太君は、S様に2014年の夏、再譲渡されました。S様が栄太君と初めて会ったのは、最後の便りが紹介されて一月も経たない頃だったそうです。某保護団体のサイトには、戻ってきた理由を考慮してか、戻された事も、再譲渡されたことも書いてありません。

私(ねこねこ亭)がS様と出会ったのは、2019年9月、新小岩某所で保護した子猫たちの預かりさんを募集した時です。その時、いち早く預かりさんの手をあげてくださったのがS様でした。11月、子猫たちの預かりをお願いしている傍、栄太君を、私の掛かりつけの病院で診てもらうことができないか相談されました。

S様が栄太君の里親になってから、一度も、普通のウンチがでた事がなく、下痢が続いていると言うのです。一生懸命に踏ん張って下痢を出そうとしたり、お腹が痛いのか声をあげる事があったり、踏ん張りすぎてか肛門が腫れ上がる事もあると、6歳になった今も悩まれていました😔

S様は、里親になってからこれまでの間に、3つの病院を受診されていました。

最初に受診した病院では、トリコモナスが見つかり、フラジールで治療をし、その他、海外の高価な薬も処方されたそうですが、下痢の完治には至らなかったそうです。血液検査、尿検査、腹部エコーもしたそうですが原因不明。3つ目の病院では、何かのストレスが原因かもしれないという事で、ビオイムバスター(整腸剤)で様子をみることになったそうですが、やはり解決しませんでした⤵️

私が知っている限りでは、3つの病院とも良い病院で、掛かりつけにしているボランティアさんもいます。

それでも解決できないという状況の中、S様は、添加物が入っていない食べ物を選んであげたり、比較的症状が良くなるチキン中心の食事にしたり、様々な努力をされていました。何より、トイレの掃除や、下痢が垂れ流しになった時の布団や敷物の洗濯、栄太君自身を綺麗にしてあげたり、里親になってからずっと苦労続きだったことだと思います。

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S様からの相談を受けて、みやむら動物病院の院長先生に相談をしたところ、6歳という年齢になっていることからも、まずは体全体を猫ドックで診てみて、その結果次第で、内視鏡検査も視野に入れましょうと言われました。

S様が心配していたトリコモナスの再発については、フラジールを使う先生は多いけれど、効果がない事が多いと言われました。また、栄太君には、他に同居している3匹の猫がいたので、その子達にもトリコモナスがいた場合、栄太君だけを治療しても、再感染させられてしまうので、他の子達についても検査をする必要があると言われました。

→トリコモナスについては、後日、検査をしましたが、同居の猫ちゃんもクリアだった為、下痢の原因からは除外されました⭕️

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11月18日:猫ドックを受けました。

栄太君の体重は、2.58Kgでした。6歳の男の子といえば、人間で例えるならば30代の働き盛りの頃です。男の子であれば4〜6Kgあっても良いと思われる体重が、子猫並みしかありませんでした😢

猫ドックの結果、肛門から指を入れてギリギリ届くかどうかという部分に、3cm位の塊(腫瘍のような何か)があるという事が分かりました。腹部にエコーをあてた瞬間、腫瘍があることが分かったそうです。

それと、胃の出口から十二指腸にかけての壁が分厚くなっているような(?)何かがあると言われました🤔

現段階では、悪性か良性か不明との事。

腫瘍を取り除く方法として以下の2つを言われました。

ケース1:麻酔をした状態で、肛門から腸をめくって引っ張り出し、腫瘍を切除する。この場合、即日、退院できるそうですが、十二指腸の原因については、また別途という事になります。

ケース2:開腹して腫瘍を取り除く。開腹する場合は、1回の手術で終わりになるよう、十二指腸部分も一緒に調べる。この場合、暫く、腸に食べ物を通さないようにする必要がある為、4日間程、飲まず食わずで、点滴のみで過ごす事になると言われました。

今の段階では、開腹する可能性が高いとも言われました。

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11月27日:腫瘍を取り除く手術をしました。開腹手術となりました。

そして、生まれつき結腸がなかった事がわかりました😱

腸は、以下のように、胃から肛門まで続いています。

結腸は、小腸から届く液状の物から水分を取り除いて直腸に送る働きをしています。その結腸が存在しないという事は、水分が取り除かれないまま便(ウンチ)となって出てくることになるので、下痢になるのです。


小腸┳十二指腸
  ┣空腸
  ┗回腸
大腸┳盲腸
  ┣結腸←ここが先天的に存在しなかった❗️
  ┗直腸

結腸を再生する事はできませんが、後天的に病気になって結腸切除手術を受ける子もいたりするので、結腸がなくても生きていく事はできます⭕️

それから、更に驚くべき事が分かりました!

大腸の腫瘍と思われていた物は、腫瘍ではなく、腹腔内に単体で存在する謎の塊でした❗️

腹腔内から取り出された塊
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なんだこれ?!
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検査機関に出す前に、袋の外から触らせてもらいました。硬くてプリプリしていました😳

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後日、検査機関(アイデックスラボラトリーズ株式会社)で調べてもらった結果、以下の報告がありました。

検査組織(1)腹腔内孤立性の結節は3×2.5×1cmで、全体を十時に切り出して鏡検しました。
病理組織学的評価:腹腔内の結節:脂肪腫と考える
コメント:腹腔内の結節の主体は異形成の無い脂肪組織でした。内部に散財性に壊死は存在しますが、全体的には脂肪組織の形状が保たれており、脂肪腫であったと考えます。周囲は厚い繊維組織で覆われていましたが、これは物理的な刺激によるものと思われます。ただし、局所性の脂肪壊死等でも類似した形態をとることはあります。単発性病変の場合には切除後の予後は良好です。

ただの脂肪腫でした。

結腸がない事に加えて、この大きな塊が、栄太君の腸を圧迫して、便の通りを悪くしていたみたいです。今はまだ長年の癖で踏ん張って排便しようとしていますが、この塊を取り除いたことで、術後は、便が出やすくなったようで、ぴゅー!とが飛んででるようになりましたもう少し時間が経つと、踏ん張らなくてもがでる事を理解して、排便のコツを掴んでくれると思います。

そしてもう1つ。気になっていた十二指腸部分には、あちこちにリンパの腫れが見られたので、その一部を検査機関に送ったところ、以下の報告がありました。原因の特定はできないけれど、心配ないそうです。

検査組織(2)回腸付属のリンパ節は1.2×0.4×0.4cmであり、スライスしました。

病理組織学的評価:回腸付属リンパ節:リンパ過形成(反応性リンパ節)
コメント:リンパ節に腫瘍性変化は認められませんでした。皮質には活性化したリンパ濾胞(ろほう)が多く見られており、リンパ過形成に該当する所見です。反応性過形成を示すリンパ節は、一般的に支配領域に当たる組織での慢性の刺激を反映することが多い変化で、この変化自体は非特異的であるため原因の特定はできません。

あちこちにリンパの腫れがみられたので・・・
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一部、細胞を採取して生検に出しました。
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手術をした日の体重は、前回測定した時よりも更に減っていて、2.36Kgしかありませんでした💦色々、原因が分かって本当に良かったです😭

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11月29日、術後の経過がとても良く、予定より早く退院しました⤴️

エリザベスカラーで過ごす栄太君
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11月30日にでた💩は、今までにないほど状態が良かったそうです。

先生に、これから先どうしたら、下痢の症状が改善するか尋ねてみたところ、ロイヤルカナンの満腹感サポート(カリカリ)を勧められました。ダイエット用のカリカリですが、食物繊維の含有率が他のカリカリに比べて高いので、ウンチの水分改善に効果があるかもしれないとの事でした。我が家の猫たちも、食べていますが、満腹感サポートを食べると、どのフードよりも、ウンチが硬くなって、臭いが少なかったです😌

それから、タンニン酸アルブミンという薬を試すことになりました💊サプリに近い医薬品との事で、副作用に便秘になるというのがありますが、栄太君の場合は、そもそもが下痢なので、副作用の心配を考えなくて良いとの事でした😉水分は、結腸で一番吸収されますが、他の腸の部分でも少ないですが吸収されるそうで、腸の動きを遅くして、なるべく便を腸の中に留まらせることで、できるだけ水分を吸収してもらう効果を狙っています⤴️

2020年1月、体重が少しずつ増えてきました☺️
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まだ肛門が、ぷっくり腫れてますが、食欲もでてきて良い感じ🍚肛門には、塗り薬を塗っています。

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栄太君が幸いだったのは、S様との出会いがあったことだと思います。もし、S様と出会わなければ、6歳になるまで生きていられたか、それすら分からないくらい、小さな体で頑張っていました😭原因が特定できたこれからは、もっともっと症状が改善して、体重が増えて、健康な体になってくれたら良いなと願っています🌈

それから、栄太君の件で、私は、いくつか違和感を感じました。

某保護団体に戻るまでの間、団体でも、里親さんの家でも、トリコモナスが見過ごされていた事。

生まれつき結腸がないという事は、某保護団体にいた時も下痢が続いていただろうし、最初の里親さんの家にいた時も下痢だったはずです。なのに、S様は、症状について何も知らされていませんでした。命にかかわる事なのに、なぜ知らせてくれなかったのでしょう?

最初に譲渡を受けた方に至っては、毎日下痢が続き栄太君の事を面倒になったから、理由をつけて手放したのではないかと、疑念を抱かずにはいられません😔

取り除いた脂肪腫については、大きさから推測して2〜3年で出来た物ではないと言われました。という事は、先に受診していた3つの病院で、なぜ見つからなかったのでしょう?みやむら動物病院の院長先生は「たまたま僕が(運良く)見つけられただけだよ」と言われましたが、6年という年月を考えると、なぜもっと早く見つける事ができなかったのか、違和感が拭いきれません。

もし、この記事を読んでいる皆さんの中で、病院を受診してもなかなか良くならない症状があったら、病院を変えてみて、今一度、違う目線から診察してもらうことも考えてみてみてください😌

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