茶飯くんの腎臓ステージについて
猫の慢性腎臓病のステージについて、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)というところが出している分類表です。クレアチニンの数値でステージが分かれています。
分類 | 残っている腎機能 | クレアチニン(mg/dL) | 状態 |
---|---|---|---|
ステージ1 | 100〜33% | <1.6 | 腎機能不全期 |
ステージ2 | 33〜25% | 1.6-2.8 | 腎不全初期 |
ステージ3 | 25〜10% | 2.9-5.0 | 腎不全期 |
ステージ4 | 10%〜 | >5.0 | 尿毒症、末期腎不全期 |
【】内は、参考標準値となります。保護してから何度も血液検査を実施しました。
検査日 | 体重 | ALT(U/L) | 尿素窒素(BUN) (mg/dL) |
クレアチニン |
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02/17 | 5.30Kg | 機械が計測不能となる高値でした。 風邪の症状が酷く入院しました。保護する前から絶食が続いていて、重度の脱水症状が出ていました。 | ||
入院中、複数回血液検査を実施しましたが、高値が続き計測不能が続きました。 | ||||
02/23 | 入院中ずっと食事を取れない状況が続いた為 食道に穴を開けてチューブを通し、流動食になりました。 | |||
02/26 | 食道チューブをつけたまま退院。抗生物質と腎臓の薬を継続。 | |||
03/09 | - | 85【34-120】 | 37.5【15-33】 | - |
04/25 | - | 137【34-120】 | 34【15-33】 | 1.8【0.8-2.1】 |
04/27 | 6.56Kg | - | - | - |
06/30 | 7.01Kg | 157【12-130】 | 36【16-36】 | 2.5【0.8-2.4】 |
ALT(アラニンアミノ基転移酵素)
ALTは、主に肝臓内に存在する酵素です。血中のALT値が高いということは、肝細胞障害が起こっていて、血中にALTが流れでてきてる状態となります。なので、ALTの数値が高いということは、それだけ肝臓の状態が悪化している事を示します。
尿素窒素(BUN)
血液中の毒素や老廃物が増えると、尿素窒素の値も上昇します。尿素窒素の値が高いという事は、腎臓のろ過機能が衰えている事を示しています。本来なら、オシッコに混ざって体外に排出できるはずの老廃物が、排出できず、血中に残っている状態です。
入院している間、血液検査と、エコーとレントゲンを複数回実施しました。退院直前に、右腎臓がないか、極小すぎて確認できない状態という事を言われました。
その後、みやむら動物病院でセカンドオピニオンを受けました。血液検査と、エコーと、レントゲンを受けた結果、右腎臓はなく、腎機能としては、1/8(12.5%:ステージ3)しか残っていないと言われました。但し、残っている腎機能が、すごく良い働きをしてくれているので、血液検査の結果は、思った程、悪く出ていないという事でした。
入院中、針が振り切れる程の高い値が続いた事や、IRISの分類表に当てはめてみても、現在の腎機能ステージは、ステージ2、または3となります。
少し余談になりますが、8月に、生後3ヶ月で譲渡した猫ちゃんが、腎臓病で6歳で亡くなりました。4歳から、毎日朝晩点滴を続けて、その間、何度も危篤という連絡がありましたが、その度に、里親さんが献身的な介護をして助けてくださり、なんとか6歳まで生きる事ができました。最後の写真を見せてもらいましたが、瞳の輝きもあって、命が尽きるとは思えない程に、しっかりした見た目でした。
昨年の10月にも、生後半年で譲渡した猫ちゃんが、腎臓病で6歳で亡くなりました。点滴を続けながら、色んな病院に掛かりましたが、決定的な治療法はありませんでした。
どちらの子も、新薬を試されましたが、効果はありませんでした。
腎臓は、再生する臓器ではありません。その為、今残っている機能を大切に維持し、進行を緩やかにするしかありません。
見た目が元気そうに見えても、今現在、腎機能が、どれくらいの状態かは、検査をしてみなければ分かりません。今後も、半年に1回は、血液検査を実施しながら、ALT、尿素窒素、クレアチニンの数値を観察することが大事です。
日本獣医腎泌尿器学会のサイトに治療についての推奨事項の記載があります。参考にしていただけたらと思います。
茶飯くんの年齢は推定4〜5歳です。
もしかするとトライアル中に、毎日の点滴が必要となる可能性もあります。決して楽観できる状態ではないことを、御理解いただいた上で、お申し込みをいただけたらと思います。また、10月初旬に、血液検査を実施しますので、状態の変化が分かりやすいように、上記の表に結果を追加したいと思っています。