トニー・スターク:多剤耐性菌(MRSP)と判明しました
生検に出した鼻水と血液の検査結果がでました。
鼻中隔を溶かし、そして今も骨を溶かし続けている犯人は、メチシリン耐性 S. pseudintermedius:多剤耐性菌(MRSP)でした😔
簡単にいうと、ほとんどの抗生剤が効かなくなった、超強力な細菌のことです💦
トニーの場合、10種類程ある抗生剤の中で
(1)ドキシサイクリン
(2)クリンダマイシン
の2つが、効果が期待できる物として残っているとの事でした。
もしこの2つの効果がなかった場合は、点滴薬があるそうですが、投薬には細心の注意を払う必要があり、入院の必要もあるそうです。そして、それでも効果がなかったら、もう手段はないそうです😭
多剤耐性菌という言葉は、「(人間の病院で)院内感染で死亡した方から検出された」などニュースになる事も増えてきた為、耳にしたことがある人もいるかと思います。「目に見えないパンデミック」としてWHOが指針を出して、注意喚起しているほどのものです。
犬・猫の多剤耐性菌については、耳・鼻・喉の病気に重要な影響を及ぼしていることが、2006年ぐらいから明らかになってきていて、アメリカやヨーロッパでは公的機関がまとめた文章が(英文で)あります。
トニーを連れて行っている病院では、2〜3ヶ月に1匹(犬)、数でいうと(犬)1万匹に1匹、来るか来ないかいないかという感じだそうです。圧倒的に犬が多く、猫では、非常に珍しい症例とのことでした。
トニーの場合も、見た目では鼻中隔が溶けているだなんて全く分からないし、猫の場合、見過ごされているケースも多いのではないかと思います。症例が非常に少ないのも、その為ではないかと思います。そんな中、原因を突き止められて、治療の経験がある病院に通えているのは、とてもラッキーな事だったのかなと思います😌
MRSPには、以下の特徴があります。
人には移りにくい。
猫同士は移りやすいので隔離する必要がある。
トニーがいる家は、他に保護猫ちゃんなど5匹いるので、ケージ生活を継続して、猫じゃらしなど共有しないようにします。
あらゆる薬に耐性ができて効果がなくなっているので、効果がある薬を慎重に用いる必要がある。むやみに使用すると、それにも耐性ができてしまって、効果がある薬が全くなくなるからです。
トニーに残された薬は2つ。
処方する方法としては、2つ同時に使う方法と、1つずつ交互に使う方法があるそうですが、先生と相談して、交互に使う方法を試すことになりました。
今回処方されたのは、(1)のドキシサイクリン:商品名がビブラマイシン錠50mgというものです。これを朝晩1錠ずつ、2週間飲みます。その後、(2)を2週間→(1)を2週間→(2)を2週間と繰り返し飲ませて、効果を確認します。
※ビブラマイシンは強い薬なので、薬だけ飲ませると食道炎になってしまうとのこと。必ず水やパウチなどと一緒に飲ませる必要があるそうです。
これが残された頼みの綱です
どうか、どうか、効果がありますように😔
参考文献(国内の伴侶動物における薬剤耐性菌の疫学)
今日の体重は、5.26Kg。
7/31の時(5.16Kg)微妙だけど、ほんの少しずつ増えています⤴️
今日は、保護して2ヶ月と少しが経過したので、2回目のエイズ・白血病検査をしてきました。両方ともに陰性でした⭕️
エイズ・白血病キャリアかどうかという点では、他の保護猫ちゃん達と接触してもOKとなりましたが、MRSPという面からは、他の猫ちゃんへの感染力が高いので、隔離生活は継続しなければなりません。万が一、他の猫ちゃんが怪我をしていて、そこにMRSPが入り込んだ場合は、トニーが感染している時よりも、更に強力な菌に変化する可能性があるからです😔パンデミック・・・まさにその通りの怖い菌なのです。