江戸川区瑞江駅でキジ猫を保護しました:小春ちゃん
この猫ちゃんが暮らしていた場所は、都営新宿線の瑞江駅、南口。タクシー乗り場があるロータリーです。駅という特性上、通勤や通学の途中で、見かけた事がある、餌をあげた事があるという方も多くいたのではないかと思います。
2023年1月7日:相談
午前10時、1通のメールが届きました。
そこには、ロータリーにある時計台のたもとに猫ハウスが置いてあり、地域猫が1匹暮らしている事。小春ちゃんという名前で呼ばれ、タクシー運転手の方々から餌をもらいながら暮らしている事などが書かれていました。
車が多く行き交う危険な場所なので保護してあげたいけれども、自身では捕獲の経験がない為、捕獲をお願いしたいというご相談でした🐟
相談者様のお家に小春ちゃんを迎え入れる準備も整っていると書いてありました。
添えられていた写真には、猫ハウスと一緒に小春ちゃんが写っていました😳
夕方、相談者様に電話をして詳しいお話しを伺いました。
小春ちゃんは、3年程前からそこにいて、タクシー運転手さん達でも誰も触れる方はおらず、全く人馴れしていない野良猫との事でした。
夜になると道路を渡り周辺ビルの裏手に移動しているとの事でした。
いつ事故にあってもおかしくない環境の中、1日でも早く保護をしてあげたいという必死の思いがお話しから伝わってきました。
相談者様は、依頼をする事にとても慎重になられており、私たちの事も信頼してよいものかどうか迷われているような印象を受けました。何か複雑な事情があるように感じました。
小春ちゃんがいる場所は駅。
捕獲をするにあたっては空腹にする必要がありますが、24時間人が行き交う場所で餌やり行為を止める事は不可能です😔
満腹な状態で捕獲をしなければならない事、捕獲に気がついた方々からの野次馬的な妨害や、保護する事に対する妨害もあるかもしれない事など、困難な捕獲になるだろう事が予想されましたが、依頼を引き受ける事をお伝えしました。
その瞬間、少しだけ相談者様が安堵された様子が電話越しに伝わってきました😌
告知と準備
告知期間として1週間、相談者様に張り紙をしていただく事にしました。駅前の交番にも保護する事を伝えていただきました。
捕獲をするにあたっては、2つの大きな問題がありました。
1つ目は、車が通る危険な場所なので、時計台の下の範囲から小春ちゃんが驚いて道路に飛び出さないよう細心の注意が必要な事💦
2つ目は、満腹状態での捕獲です。日常的に美味しいオヤツを含め食べ馴れてる状態では、どんなに美味しい物をあげたとしても、リスクを冒してまで捕獲器の中には入りません💦
条件が厳しい中で確実に捕獲を成功させる為、経験豊富なスタッフに現場を任せる事にしました。猫の特性や現場の状況観察に優れていて、数々の難所での捕獲を成功させているスタッフです💪
確実にハウスにいる時間を把握する為、事前の下見も重ねました。
1月16日
前日から天気が崩れがちとなり、生憎の雨となってしまいました😔
雨の中、10時からお昼まで相談者様立ち会いのもと捕獲に挑みましたが、捕獲には至りませんでした⤵️
夜、雨が止んだので、再びスタッフだけで現地に赴き、小春ちゃんの対策を練りました。
2023年1月20日:捕獲・保護
朝9時。
この日の為に秘策を持って捕獲に挑みました❗️
そして10時、小春ちゃんの捕獲に成功しました🎉
相談者様がスタッフのそばに待機してくださっていたので、瑞江駅前の交番に小春ちゃんの拾得物届出を行いました。
小春ちゃんが野良猫なのは明らかでしたが、理不尽な言いがかりをつけてくる人がいないとも限りません❌確実に所有権を取得する為に届出を行いました。
それから、相談者様が小春ちゃんを動物病院へ連れて行ってくださりました。人馴れしていない猫なので鎮静をかけてから、マイクロチップが入ってないか確認をして、駆虫、ワクチン、爪切り、エイズ・白血病キャリア検査(潜伏期間があるので暫定結果ですが、どちらも陰性でした)など保護に必要な処置をしていただきました。
小春ちゃんがいた場所には、保護した旨のお知らせも貼っていただきました。
相談者様が事前に手筈を整えてくださっていたので、とてもスムーズに1日が終わりました。この日をどれほど待ち侘びて準備してくださっていたかが分かりました😌
夜、相談者様が小春ちゃんがいた場所に行くと、女子高生たちに話しかけられて「小春ちゃん、寒いのに可哀想だと思ってました。保護していただき有難うございました💓」と言ってくれたそうです☺️
みなさんは、小春ちゃんはこの先もずっとロータリーで暮らしていた方が良かったと思いますか?
私はそうは思いません。
小春ちゃんの事を知っているタクシー運転手の方々は、日頃からとても気をつけて運転してくださっていました。ですが他からくる運転手さん達はどうでしょう?小春ちゃんの事は知りません。
夜になりハウスから出て道路を渡る時、駅を利用している一般の車はどうでしょう?中には危険な運転をする人もいる事でしょう。
一段落して、相談者様が、私たちに相談をする前に、いくつかの団体に小春ちゃんの保護をお願いした事を打ち明けてくださりました。全てのお話しを伺って、相談者様と初めてお話しした時の声が曇っていた理由がわかりました😔
猫を保護してくれという依頼ではなく、ご自身で保護をしたいから捕獲のところだけ手伝って欲しいという依頼。なのにこれまで誰ひとり手を差し伸べてくれなかった・・・
よく投げかけられた言葉に耐え、負けずに私のところまで相談してきてくださったなと、胸が打たれました。
餌をもらえているから、ハウスがあるから、手術が終わっている地域猫だからと言っても、それはどんな場所であっても良いわけではありません。ある程度の安全が保証された環境で見守っていくからこその地域猫です。
猫にとって車は大きな凶器です。
怪我をしたら保護をする?
この場所で怪我をするとしたら、車による事故でしょう😢ですが、事故に遭った時、命があるとは限りません❌半身不随になったり、足を切断したり、内臓が破裂していたり。その時、高額な医療費を誰が払えますか?障害が残った体の猫ちゃんを誰がお世話しますか?手に負えないからと安楽死させますか?
野良猫は野生だから保護はしない?
今、町にいる猫は、人間が分別なく餌をまき続けたり、飼えなくなったからと捨てた事によって、増えてしまった結果です。
野良猫は野垂れ死ぬのが当たり前ですか?今一度、みなさんに問いたいです😔
小春ちゃんが生きてきた年数。誰もできなかった事を相談者様は行動に移し、保護してくださりました。
全てを話し終わった相談者様の声が、とても晴れやかな声に変わっていて、私もとても嬉しくなりました😌
最後に、今まで小春ちゃんの為にハウスを作り、冬にはカイロを入れながらお世話してくださっていたタクシー運転手の皆様、小春ちゃんがいなくなると寂しいと言われる運転手さんたちを説得してくださった運転手のナベさん、そして時々、小春ちゃんの為に餌やベッドを持ってきてくれていた方々、みんなに心から感謝申し上げます🙏
ロータリーの猫ハウスは撤去しました。
小春ちゃんの年齢は4歳。
小さい頃に知らない誰かが不妊手術と耳カットをして元の場所に戻された猫です。
相談者様が小春ちゃんの存在を知ったのは、昨年の11月13日の事。それから2ヵ月以上が経過し、ようやく保護する事ができました😌
🐟小春ちゃん幼き頃🐟
(ナベさんから頂きました)