江戸川区本一色で黒キジ猫を保護しました:悪性腫瘍、白血病キャリア:りんくん
⚠️閲覧注意:本記事は、酷い状態の写真が含まれます。
2022年5月22日:相談
11時半、1通のメールが届きました。
そこには、近所の野良猫が酷いケガをしている事。捕まえようとするも、捕まえられないので、力を貸して欲しいという内容が書かれていました。
15時、相談者様に電話をして、詳細をお伺いし早急な医療措置が必要と判断。16時半、現地にて捜索。路上に横たわっていたところを発見。17時に捕獲しました。
下の写真は、近所の方が5月11日に撮影していた写真です。
近所の方のお話から、この猫ちゃんに餌やりしていた家も判明しました。お家の中に入れてくれるようお話しても、そのまま外でとのお話だったそうです😔
2年くらい前は2匹で行動していたそうですが、1匹は車の下で亡くなり(死因は不明)、それからはずっと1匹で行動していたそうです。1ヶ月前くらいから怪我していたとのお話でした。
病院へ急行
病院が18時までの受付だった為、急ぎみやむら動物病院へ運びました。林先生が診察してくださりました😌
当初は、交通事故か何かを想定していたのですが、検査を進めていくうちに違っていた事が判明しました😢
後ろ左足が酷い状態でした😰
足が3倍ほどに腫れ上がっており、肉球がなくなっていました😰
レントゲンでも、盛り上がった肉がわかります。指の骨も溶けて1本なくなっていました😰
左右の足を比べて見てください。横からみると、肉の盛り上がりが酷い事が分かると思います😰
お腹は、ガスが溜まっていました。
合わせて、針で細胞を採取し検査をしていただいたところ、左足は悪性腫瘍(癌)である事が判りました😢骨の状態などから2ヶ月から4ヶ月位経過しているとのお話でした。
右足にも、1センチほどのシコリがありました。こちらも針で細胞を採取し検査していただきましたが、正確な結果がでませんでした。
そして、下腹部に穴が開いていました😰
足は断脚するしか方法がありません。
ですが血液検査の結果、(脱水状態である事を考慮すると)重度の貧血状態にあり、麻酔をしての手術が困難な状態でした😔
今のところ、癌の転移は確認できず、リンパの腫れもなしとの事でした。
調べたら、未去勢のオスでした😔体重は、3.2Kg。
エイズ・白血病キャリア検査の結果、白血病キャリアと判明しました😰
犬歯が折れており、口内の状態も悪く、少なくとも10歳以上との事でした😔悪性腫瘍の発生は10歳くらいが平均なので、納得です。
本当なら輸血をしてもおかしくない状況でしたが、輸血にも高リスクがあります😔
今後について先生と相談しました。
麻酔ができる状態でない為、体力回復に努め、麻酔ができる状態まで回復した時には、左足の断脚手術を行い、その際、右足のシコリの生検を行うという、ワンチャンスに賭けるか・・・。ターミナルケアに努めるか・・・。
問題は、断脚手術のストレスで、白血病を発症しまう可能性がある事です😔白血病を発症してしまうと、断脚して転移がなかったとしても、余命1ヶ月ほどになります。
キャリアで出血を伴っている為、他の保護猫と一緒にするわけにもいかず、問題が山積みとなりました⤵️
今日は、脱水改善の点滴と、貧血を改善する為に鉄剤の注射、抗生物質の注射をしていただき、1日2回の抗生物質の飲み薬を処方していただきました。
患部と腹部は、スーパー軟膏を塗っていただき、足には包帯を巻いていただきました。包帯は、軟膏を塗って毎日取り替える方が良いそうですが、それもまた難しく😔
我が家も脱衣所まで保護猫で使っている状態の為、もう緊急の保護場所すらありません。明日まで、スタッフの車の中に捕獲器のまま置いて、お世話をする事にしました😔
明日また病院へ連れて行って、相談者様の希望と合わせて、今後について相談する事になりました。
2022年5月23日
処置していただいた包帯を取り替えに、夕方、再び病院へ行きました。
昨晩から良く食べ良く眠り、顔つきが少し元気になりました⤴️
患部からは、昨年、扁平上皮癌で看取ったアリーちゃんの時と同じ、壊死した臭いがしています😔
ガーゼを取る時、じわじわと多めの出血がありました。
右足からも出血があるように見えますが、左足の血がついただけです。
これから毎日スーパー軟膏を塗って、ガーゼと包帯を取り替えます。ガーゼは、くっつかないガーゼというのが薬局などの市販品であるので、それを使った方が良いそうです。一般的なガーゼよりも、剥がす際の出血が少なくて良いとの事でした。
できれば患部を水で洗ってから軟膏を塗った方が良いとの事でしたが、自宅での洗浄は難しいと思います⤵️大人しい猫ちゃんですが、10年以上野良猫だったので、これから家猫訓練も必要です。
なので、自宅では毎日軟膏を塗ってガーゼと包帯を取り替えて、週一で病院で洗浄してもらう感じでやっていきましょうという事になりました。
先生が洗浄して、軟膏を塗って、包帯を巻くまでを動画で撮影しました。
後半は、お腹の穴に軟膏を塗っているところです。昨日1回軟膏を塗っただけで、お腹の穴は少し良くなったような気がしました。穴の付近を押すと、膿がでてきました。お腹の穴は、洗浄せずに軟膏を塗るだけで良いそうです。洗浄してしまうと穴から汚れた水がお腹の中に入ってしまうので良くないそうです。
相談者様が、この猫ちゃんの里親になってくださる方を見つけてくださり、今日は、里親さんと一緒に先生の説明を受けました。
担当してくださった林先生の名前から、りんくんという名前もつけてくださりました🌷
これまでも保護猫を飼われたり、看取りも経験されているとの事。ここまで酷い状態の猫ちゃんは初めてなので手探りにはなるけれど、頑張ってみます💪と言ってくださり、とても心強い里親さんでした😌
りんくんは、診察後、里親さんに引き渡ししました。里親さんのお家に到着して、ご飯を食べて、ひと眠りした後のりんくんの写真を送っていただきました。とても大人しく、里親さんのご家族にも額を触らせてくれたそうです☺️
そろそろ本格的な夏になります。
この状態でお外にいたら、あっという間に大量のウジがわいてしまいます😢大変な事になってしまう前に、保護できて良かったと思いました。
これから先、どんな治療をしていくか、難しい決断をしなければならない時もあるかと思いますが、どんな決断をし、どんな結果になったとしても、里親さんの決断を信じたいと思っています。
2022年5月25日
18時、里親さんから、りんくんの具合が思わしくないので病院へ来ているとの連絡があったので、急ぎ病院へ会いに行ってきました💨
里親さんが自宅で包帯を取り替えてくれていました。取り替える際、出血も多かったそうですが、とても綺麗に処置してありました。
昨晩あたりから食欲がなくなって、排便もなかったそうです。食欲がないのでお薬も飲めず⤵️点滴と、2週間効果がある抗生物質の注射を打っていただきました。
今日は、林先生がお休みの日だったので、古谷先生に診察していただきました😌
体重は、3.1Kg。100グラム減っていました。
体温は、38.5℃。
飼い主さんの負担を軽減する為にも、包帯は病院で取り替えるだけにして、りんくんの体力アップの方に重点を置いて頑張っていきましょう💪という事になりました。
今日は、更に包帯でグルグル巻きにました。臭いもあります😔もしかしたら、この状態であればエリザベスカラーを取ったとしても、自力で包帯を外す事はできないかもね・・という事で、カラーを外した生活を試してみていただく事になりました。カラーがない方が、ご飯も食べやすいしね⤴️
りんくんの体には、猫シラミが山ほどついていました😱肉眼で見えるので、見てると鳥肌が立つほどでした。駆虫をしたので、それらの死骸がポロポロ落ち続けていました。
野良猫とはいえ、こんなに猫シラミがついている猫も珍しいです😭餌さえもらえれば、それで本当に幸せだって言えるのか・・・野良猫は、それ以上の幸せは望んじゃダメなのか・・・
2022年5月30日
夕方、里親さんの診察に同伴してきました😌
体重は、3.24Kg。先週よりも、少し増えていました。ご飯を食べる時だけカラーを外しているそうですが、食欲もでてきたそうです💪
お腹に開いてた穴は、あともう少しで治りそうです⤴️今日も、スーパー軟膏を塗っていただきました。
動画は、足の包帯を変えて洗浄してもらっているところです。臭いもかなりあり😢魚の干物を腐らせたような臭いです。ガーゼも膿ですごい状態になっていましたが、なんとなく肉腫が引いたような・・気のせいかな?ガーゼを取り替える時の出血もこれまでよりも少ない気がしました。
これから先、溶けてしまった骨が元に戻る事はありませんが、里親さんの介護の下、せめて出血が止まるくらいになってくれたら良いなと思っています。りんくんが命ある限り天寿を全うできますよう、心から願っています🌈